先ず身につけたいエクササイズ・パート1 (Basic Pilates Exercise Part 1)
1-① ハンドレッド(Hundred)
ハンドレッドは、おなかを平らにし、コアを強くするピラティスの基本中の基本のエクササイズ。このエクササイズの目的は、頭、肩、脚を床から持ち上げた状態で、お腹の意識を維持し、腕のパンピングの反動に耐えることで、腹筋を鍛えることです。名前はパンピングを百数えることに由来してます。
- 仰向けに寝て膝を曲げ、腕を身体の脇に置き、てのひらを下に向けます。
- 息を吸って、吐きながら足を90度テーブルトップに。
- おヘソを背中の方に引き寄せ、お腹を奥から引き締めます。
- 息を吸って、吐いて、背骨の伸びを感じながら、頭と肩をマットから起こします。
- 腕をマットから持ち上げ、手先はつま先方向にまっすぐ伸ばします。
- 肩関節を起点に、腕を上下にリズミカルにパンピングします。
- 息を深く吸いながら5回、息を深く吐きながら5回動かして、1セットとし、10セット行います。
◆注意点◆
- 首や肩に力が入らないように
- 手先だけの動きにならないように
- 内ももの力が抜けて膝が開かないように
- お腹の意識が抜け、腰が前傾したり後傾になったりしないように
1-② ショルダー・ブリッジ(Shoulder Bridge)
ショルダー・ブリッジは脊柱の柔軟性を高めながら、腹筋の強化を図り、背中や腰の痛みやコリを和らげます。
- 仰向けに寝てニュートラル・スパインの姿勢をとります。
- 膝を直角に曲げ、足を平行にして、手のひらを下に向けます。
- 息を吸い、吐きながら椎骨を1つ1つマットからはがすように脊柱を上げていき、ななめ遠くの天井に向かって骨盤を持ち上げていきます。
- 肩から膝までが一直線になったら、息を吸って、脊柱を頭頂から尾骨まで長く伸します。
- 息を吐きながら、椎骨の隙間にスペースを作るようなイメージで、1つ1つ下ろしていきます。
◆注意点◆
- 腕は体の脇で長く伸して置く
- 両足の裏で床をしっかり踏みしめる
- 膝が開いて行かないように、内ももの意識を大事にする
- 首、肩、胸を緊張させないこと。
1-③ ロール・ダウン(Roll Down)
ロールダウンは腹筋を強化すると共に、背中の筋肉を伸ばして柔軟性を高めます。脊柱の骨の間にスペースが出来て、一つ一つなめらかに動かせるようになります。
- 背筋を伸ばして、脚を伸ばしてマットに座ります。
- 脚は腰骨の幅に開きます。
- 腕を前に、マットと平行に伸ばす。
- 息を吸い、頭頂から座骨までの長さを意識する。
- 息を吐きはじめ、おヘソを背中に引き締めながら、尾骨、仙骨を少し丸め、脊柱がアルファベットのCを描くように。
- 息を吐き続けながら、脊柱を一つずつマットに溶かしていく。
- 脊柱が全てマットに着いて仰向けになったら、腕も万歳の状態まで。
- 息を吸いながら腕を天井方向に持ち上げる。
- 息を吐きながら、脊柱をゆっくり一つずつマットから丁寧に持ち上げて、座った状態に戻る。
◆注意点◆
- 足の裏全体でマットをしっかり押すように
- 肩に力が入って、上がってしまわないように
- 肋骨が持ち上げったり、開いたりしないように
- 左右の足が常に対称になっているように
1-④ シングル・レッグ・サークル(Single Leg Circle)
シングル・レッグ・サークルは股関節部の深部(大腰筋、腹筋、背筋、股関節深層外旋筋群)の筋肉を鍛え、動きをなめらかにすると共に、張ってしまいがちなももの外側の緊張を解きます。
- マットに仰向けに寝て、ニュートラルスパインの姿勢をとる。
- 膝を直角に曲げて、足は腰骨と同じ幅に開きます。
- 腕を身体の脇に置き、手のひらを下に向け、マットに押しつけ、身体を支える。
- 片脚をまっすぐ天井に向かって上げ、足の甲を伸ばします。
- 息を吸いながら、脚を身体の上に交差させます。
- 息を吐きながら、脚の親指を絵筆に使って、天井に円を描きます。
- 5回繰り返したら、反対回しも5回します。
- 脚を代えて、同じ事を。
◆注意点◆
- 首の後ろがちゃんと伸びているように
- 肩が下がって力が抜けているように
- マットに着いた足の足裏はマットをしっかり押しておくように
- 脚を動かしているときは、腰をマットから浮かせないように
1-⑤ ローリング・ライク・ア・ボール(Rolling Like A Ball)
ローリング・ライク・ア・ボールは腹筋を強化し、脊柱をマッサージし、その柔軟性を高めるエクササイズ。身体全体のバランスとコントロール力を高めます。
- 足をそろえ、膝を曲げて、マットの前方に座ります。
- それぞれの手で膝、脛もしくは足首を押さえ、ヒジを張ります。
- 足をおしりに引きつけ、あたまもを膝に近づけ、背骨をボールの様に丸くします。
- 身体を少し後ろに倒し、足が少しマットから浮いたら、尾骨でバランスを取ります。
- この丸いボールの姿勢を終始保ちます。
- 息を吸いながら、身体を丸めたまま、肩甲骨の一番下がマットにつくまで身体をころがします。
- 息を吐きながら、腹筋の深部の力で元の方向へ戻る運動を始動し、最初の姿勢に戻ります。
◆注意点◆
- 脊柱が椎骨一つずつマットについていく様コントロールします
- 肩甲骨は下げたままにします
- 身体の反動は使わないように
- お腹と膝の間隔は一定を保ちます