ヨガとピラティスの違い (differences of yoga and pilates)・・・・

ピラティスは西洋のヨガと言われたりするので、ヨガの一種と思っている方が多い様です。しかし、実際にはヨガとピラティスには大きな違いがあります。

ヨガはインド数千年の流れで作り練り上げられたもので、究極的な心の安らぎを作り出す心身の健康法。

それに対してピラティスは今から80年前、ひとりのドイツ人が戦争で負傷した兵士のためにベットの上でも効果的なリハビリが出来るようにと、ヨガ、バレエ、太極拳などの要素を取り入れて編み出した筋肉トレーニング法。

ヨガはうつ病不眠症など、体だけでなく、精神面にも大きく働きかけるのに対し、ピラティスは衰えてしまった筋肉を鍛えなおすことによって体のゆがみを直し、バランスを取り戻すことに大きな力を発揮します。簡単に言えば、ヨガは「身体を柔軟にしながら、ストレスを軽減すること」を主な目的とし、ピラティスは「筋力トレーニング」が主な目的と言えます。

日々の生活で知らず知らずのうちに生まれる体のゆがみ、左右のアンバランス。腰痛や肩こりも引き起こすこうした部分を矯正し、体を内部から補い整える、それが「ピラティス」です。中でも体の安定に欠かせない、骨盤周りの5つのインナーマッスルを主に鍛えることができるのはピラティスだけではないでしょうか。

具体的には:

○呼吸が違います。
ヨガは鼻から吸って、鼻から吐く腹式呼吸ピラティスは鼻から吸って、口から吐く胸式呼吸。正しく呼吸をすると、息を吸うときに自然と背中が伸び、吐くときにお腹に力が入ります。

○動き方が違います。
ヨガはポーズをとって静止することが多いですが(最近では流れを重視する流派も出てきてますが)、ピラティスは流れるように、常に身体を動かし続けます。

○目的、効能が違います。
ヨガは、精神統一による心身鍛練の方法で、より精神に重きを置いています。それに対し、ピラティスは肉体面のトレーニングに重きを置いていて、一種の筋肉トレーニングと言えます。

実際にヨガとピラティスをやってみると、ヨガの方が汗を多くかき、運動量も多い気がします。しかし、ピラティスは自然と普段使わない筋肉を使っているので、運動量は感じなくても、知らない内に筋肉が鍛えられ、筋肉痛になっていることが多いはずです。

ピラティスの基本原則は「呼吸」・「集中力」・「調整力」・「センタリング」・「正確さ」と「流れるような動き」。ピラティスでは、単純な運動の繰り返しを行うのではなく、身体の動かし方の質を高めていくことが重要。この6つの基本原則を日頃の生活でも常に意識し、継続することで、身体の動きの質を高め、怪我のしにくい身体へと近づいていきます。