肋骨を広げて呼吸する (breathing by spreading ribs)・・・・

ヘルシア緑茶のCMでサラリーマンが会社での健診で、息を吸いながら胸板を厚くし、お腹を凹ませるシーンがありますよね。

人間は息を吸った時に肋骨が広がりながら上がり、胸が厚くなり、息を吐いた時に肋骨が下がり、胸が薄くなります。でもご存じでした?肺には筋肉が無いことを、、、。

例えば、消化を行う胃や腸は、その壁が内臓筋で出来ていて、その筋肉が縮んだり、ゆるんだりすることで、食物が移動して消化が行われます。また心臓も、その壁は心筋で出来ていて、その筋肉の収縮と弛緩で心臓の空間が小さくなったり、大きくなったりして、血液を送り出したり、戻したりしています。

しかし大きく広がったり縮んだりする肺の壁には、筋肉は一切存在しません。筋肉の無い肺がどうやって運動するのかと言うと、12対の肋骨と背骨と胸骨で「籠」のような空間が作られていて、この空間の大きさを厚く大きくしたり、薄く小さくしたりすることによって、空気の圧力を調整して空気を出入りさせています。

この肋骨を引き上げたり下げたりする筋肉が、肋骨と肋骨の間にある肋間筋で、ピラティスをやり始めた時に肋骨当たりに筋肉痛を感じた筋肉になります。2層に分かれている肋間筋の外肋間筋が肋骨を引き上げ、空間を広げる事で陰圧を生じさせます。その結果、外気が吸引され、肺内に空気が満たされます。逆にもう一層の内肋間筋が肋骨を引き下げ、空間を狭くする事で、肺内の空気が気道を通じて対外に吐き出されます。

これがピラティスで使用する胸式呼吸のメカニズムで、呼吸そのものも重要な筋肉トレーニングの一つになります。意識の高い、深い胸式呼吸を行う為に、肋骨で作られた「籠」の空間を、大きく広げたり、小さく縮めたり、しっかり練習してみましょう。